台湾から日本に留学し、そして輪島へ嫁ぐことになった禎蓮さん。
「能登の花嫁の暮らしは楽ではないからねぇ～。笑」と軽快なひとことを加えながらも「ここは暮らしやすい。家のまわりが1番好きだ！」と、輪島の暮らしが大好きである能登の花ヨメのひとりだ。
　禎蓮さんにとって「輪島の朝市」は、朝市でしか買えないものを買い物するための場所でもあるが、町の情報を得て、人々との触れ合いを楽しむ場所、「（朝市のおばちゃんたちから）パワーをもらう場所。」である。
「人はおいしいものと、笑顔の環境があれば、元気になれるもの。朝市で「元気？最近どう？」と声をかければ「あんたはどうや？」と返してくれる。自分を心配し、気にかけてくれる人がいる、という幸せな環境が、ここ朝市にはある。」と禎蓮さんは言う。
　禎蓮さんの朝市の買い物の定番は「ゆべし」「あわび・さざえの蒸し物」「わかめの干物」「あかにし貝」etc。禎蓮さんと朝市を歩くと、地元で人気の商品を知ったり、その時節だけのものを知ることができる。そして、おばちゃんとのおまけの交渉も楽しくはずむお買い物時間になるはずだ。
「朝市の場所を、『売り・買い』だけで通り過ぎるなんて、もったいない。朝市は『売り・買い』を通じて、その先にある、輪島の人との触れ合いにこそ、朝市の面白さがあるのだから。」と禎蓮さん。禎蓮さんとの、お買いもの散歩を通じて、能登のやさしい心に触れる朝のひとときは、1日の始まりを豊かなものにしてくれるにちがいない。